孕石天神社|はらみ石
石の中にさらに小さな石を持っているものをはらみ石と称して、信仰の対象になっているものがある。21世紀に入ってからの夫婦は生活スタイルの多様化により、すぐに子供が欲しいというのが一般的ではなくなってきた。以前は「3年子なくば去る」という諺があったくらい、子のできなかった妻は自ら夫の元を去る場合もあった。
女性は産まれながら母親となる喜びを持ち、結婚をすれば愛する夫の子供を欲するというのは、昔も今も自然の道理ではないのか。
孕石天神社というのが静岡県の掛川市にある。子のない婦人や、安産や子育ての無事を願う人々に信仰されている。大岩の上に社殿が建っているが、この岩を土地の人々ははらみ石と呼ぶ。紫色の小さな丸石の凝集されたものである。揺すると小石がとれる場合があり、この紫色の小石を持ち帰って祈願すれば、妊娠または安産をすると言われている。
小石のご利益で妊娠したり、安産だったりしたときは、他の小石を添えて石返しのお礼まいりをするのがしきたりである。
2月25日と9月25日の両日は午前9時から午後2時まで春秋例祭が行われる。