葉酸が多い果物は?ジュースでも大丈夫?管理栄養士が徹底解説!

  • 妊活

果物には、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。妊活中に重要な葉酸もビタミンの一種ですが、果物にはどのくらい含まれているのでしょうか。この記事では、果物やドライフルーツ、ジュースに含まれる葉酸の量と、1日にとりたい果物の量の目安を解説します。

葉酸とは

水溶性のビタミンであるビタミンB群の一種で、体内でDNAやたんぱく質の合成を促進する栄養素です。1)男女ともに必要な栄養素ですが、妊娠中の女性はより多くの摂取が必要です。特に妊娠初期に葉酸が不足すると、胎児に「神経管閉鎖障害」と呼ばれる先天性異常の発症リスクが高くなります。2)

日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日の葉酸の推奨量は12歳以上の男女で240μgです。妊娠を計画してから妊娠初期の間は、それに加えてサプリメントなどから葉酸を1日400μgとることが推奨されます。また妊娠中期~後期では、食事からの葉酸を480μgとる必要があります1)

葉酸を多く含む果物

果物の中でも葉酸を多く含む種類を紹介します。ライチ、いちご、マンゴー、アボカドに特に多く含まれています。

果物(可食部100g)に含まれる葉酸の量3)

種類

葉酸(μg)

ライチ

100

いちご

90

マンゴー

84

アボカド

83

さくらんぼ

38

キウイフルーツ(グリーン)

37

ライチ

可食部100gあたり葉酸100μgと、果物の中ではトップクラスの含有量です。世界三大美女の楊貴妃が好んでいたフルーツとしても有名で、「美の果実」ともいわれています。

生のライチはあまり流通しませんが、冷凍であれば1年を通して手に入れられます。自然解凍して皮にナイフで切れ目を入れ、手で皮をむいて食べます。そのまま食べるだけでなく、

  • アイス
  • ゼリー
  • 杏仁豆腐

などにトッピングするのもおすすめです。

いちご

いちごは葉酸だけでなく、ビタミンCも果物の中でも多く含むのが特徴です。ビタミンCは肌のハリを支えるコラーゲンの合成に関わるほか、メラニン色素の生成を抑えシミや日焼けを防ぐ働きがある栄養素です。

さらに、抗酸化物質として細胞の老化を防ぐ、ストレスに対する抵抗力を強めるなどの働きも知られています。4)

葉酸・ビタミンCとも水に溶けやすい性質があり、ヘタを切り落としてから洗うと切り口から栄養素が流れ出てしまいます。そのため、洗ってからヘタを切り取るようにしましょう。

マンゴー

強い甘みととろける食感が人気の果物です。

マンゴーには葉酸のほか、β-カロテンが多く含まれます。β-カロテンはマンゴーのオレンジ色の色素成分で、果実が熟すほどβ-カロテンの含量が多くなります。

β-カロテンもビタミンCと同様に抗酸化物質作用を持ち、紫外線などによる肌の老化防止が期待できる成分です。5)また体内で必要な分だけビタミンAに変換され、皮膚や目の健康を維持する働きがあります。6)

生の果実を入手するほか、コンビニで冷凍マンゴーを購入するのも手軽でおすすめです。

アボカド

葉酸の他にもビタミンE、カリウム、食物繊維など多くの栄養を含んでおり「最も栄養価の高い生食の果実」としてギネスブックにも認定されている果物です。

森のバターと呼ばれるほど脂質が多く、そのうちのおよそ半分は一価不飽和脂肪酸のオレイン酸です。3)オレイン酸は動物性の脂質と置き換えることで、血中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)を低下させる働きが知られています。1)ただし他の脂質とカロリーは変わらないため、とり過ぎには注意が必要です。

スーパーで売られているアボカドはまだ熟していない状態であることが多いため、購入後は常温に置いて追熟させましょう。皮が緑から黒に変わり、指で押すと少し柔らかくなったら食べ頃です。この状態で冷蔵庫に保管すると、食べ頃が3日ほど維持できます。

加工したドライフルーツにも葉酸は含まれるの?

ドライフルーツ

ドライフルーツ100gに含まれる葉酸の量3)

種類

葉酸(μg)

ドライマンゴー

260

ドライバナナ

34

ドライいちご

4

ドライマンゴーの葉酸の含有量が突出して高く、生のマンゴーの4倍以上に増えています。そのまま食べるか、ヨーグルトに一晩漬けて柔らかくして食べるのもおすすめです。

ただし、ドライマンゴーは100g339kcalとカロリーが高く、糖質も多く含むのが特徴です。間食は1日200kcal未満を目安に、食べ過ぎには注意しましょう。

フルーツジュース

ジュースコップ1杯(200mL)に含まれる葉酸の量とカロリー3)

種類

葉酸(μg)

エネルギー(kcal)

オレンジジュース

54

92

グレープフルーツジュース

20

76

パインアップルジュース

14

90

りんごジュース

4

94

※全て濃縮還元ジュース

オレンジジュースには他の果物より比較的多くの葉酸が含まれるため、葉酸の摂取に役立ちます。

ただし果物のジュースには果糖などの糖類が含まれます。飲み過ぎるとカロリーの過剰摂取になりやすく、肥満につながる恐れがあります。また、生の果物よりも糖類の吸収が早く、血糖値を急激に上げやすいという特徴もあります。7)

葉酸を摂取したいからといって、果物のジュースをたくさん飲むのはおすすめしません。ジュースはあくまでも嗜好品として楽しむものです。間食と合わせて200kcal以内になるよう、量を調節しましょう。

1日に食べて良い果物の量は?

農林水産省・厚生労働省が作成した「食事バランスガイド」では、果物の摂取量の目安を1日200g程度としています。これはみかんやかきなどの小さい果物なら2個分、りんごや梨などの大きい果物なら1個分に相当します。8)

果物は野菜と同様、葉酸やビタミンC、カリウムなど、ビタミン・ミネラルを豊富に含む食品です。また、水溶性食物繊維も多く含まれるため、急激な血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールの吸収を抑制したりするのにも役立ちます。

ただし野菜と異なる点は、果糖やブドウ糖などの糖類も含まれることです。果物を食べ過ぎて糖類を過剰摂取した場合、中性脂肪の値が高くなったり、カロリーオーバーから肥満を引き起こしたりする可能性もあります。

果物は適量摂取を心がけ、栄養補給に役立てましょう。

葉酸の摂取量をさらに増やすには?

緑の野菜を意識しよう

葉酸は、果物よりも野菜に多く含まれる傾向にあります。野菜の中でも、枝豆やブロッコリー、ほうれん草などに多く含まれます。「葉酸」という名前のとおり、葉っぱのように濃い緑色をした野菜と覚えておくと良いでしょう。

野菜(可食部100g)に含まれる葉酸の量3)

種類

葉酸(μg)

枝豆

320

ブロッコリー

220

ほうれん草

210

ライチ

100

葉酸は水に溶けやすいため、野菜をゆでるとゆで汁に葉酸が溶け出し含有量が少なくなってしまいます。

スープやみそ汁にして、ゆで汁ごととると野菜の栄養素を余さず摂取できます。またゆでるのではなく、蒸し器や電子レンジで加熱すると損失を抑えられます。

妊活時期はサプリも併用して

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦は、通常の食品からとる葉酸240μgに加え、サプリメントや栄養補助食品などから葉酸を400μg摂取するのが望ましいとされています。1)

妊娠初期に葉酸が不足すると、胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高くなることが知られています。妊娠が分かってからサプリメントを摂取するのでは間に合わないことが多いため、妊娠を計画した時点から摂取を始めましょう。

葉酸サプリにもさまざまな種類があります。選び方のポイントは以下の記事を参考にしてください。

https://www.kimurasan.com/column/how-long-should-i-take-folic-acid-supplements-explanation-of-how-to-choose-and-points-supervised-by-a-registered-dietitian/

ただしサプリメントから葉酸をとっていても、食事から葉酸をとらなくて良いわけではありません。他の栄養素の不足を防ぐためにも、食事からも葉酸をとった上でサプリメントを合わせて活用するのがおすすめです。

果物を食事の楽しみとして取り入れ、栄養補給に活かそう!

果物は、ビタミンやミネラル、食物繊維を補給できる食べ物です。妊活中に重要な栄養素である葉酸も含まれ、特にライチやいちごやマンゴーなどに多く含まれます。甘さを楽しみながら栄養がとれるため、間食や食後のデザートとしてお菓子の代わりに食べるのがおすすめです。ただし、食べ過ぎは糖質やカロリーの過剰摂取につながります。1日200gを目安に果物を取り入れ、栄養補給に役立てましょう。

参考文献

1) 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html

2)厚生労働省「e-ヘルスネット 葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html

3)文部科学省「食品成分データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.pl

4)公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット ビタミンCの働きと1日の摂取量」https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-c.html

5)公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット 抗酸化による老化防止の効果」https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka-yobou/kousanka-zai.html

6)公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット ビタミンAの働きと1日の摂取量」https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-a.html

7)糖尿病ネットワーク「糖尿病の人が果物や野菜のジュースを飲むとどうなる? 意外な結果に」https://dm-net.co.jp/calendar/2018/027919.php

8)農林水産省「「食事バランスガイド」の適量と料理区分」https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kenzensyokuseikatsu/about_b_guide.html#tekiryo

9)厚生労働省「e-ヘルスネット 果物」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-003.html

三樹彩夏
【監修】管理栄養士

三樹彩夏

小児科・内科クリニックに勤務後、2020年にフリーランスに転身。「健康的な生活を当たり前にする」をモットーに、ダイエットサポートやライター業を通して食の大切さを伝えている。

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